山口県柳井市の自宅で昨年10月に小学生の娘の首を絞めて○そうとしたとして○人未遂の罪に問われた同市の無職の母親(40)の裁判員裁判で、山口地裁は10日、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。安達拓裁判長は、被告と被害者の娘との体格差は大きく、両手で1、2分程度、強い力で絞め続ける行為は相当危険だと指摘。「被害者が被った精神的苦痛や将来の成長に対する悪影響を考えると犯行は決して軽視できない」と非難した。一方、犯行直後に自首し、娘に苦しい思いをさせたことに対する後悔の言葉を公判で述べていることなどを考慮して執行猶予にしたと判決理由を述べた。
判決などによると、被告は昨年10月5日午前10時45分ごろ、自宅で○意を持って娘=事件当時(8)=の首を両手で絞め、首などにけがを負わせた。
裁判員裁判で見えた課題
「この生活を終わりにしたいと思った」。日常のストレスから衝動的に当時8歳の娘の首を絞めて○人未遂罪に問われた被告の裁判員裁判。公判での被告の言葉から、母親の孤立を防ぐ地域支援の必要性が浮き彫りとなった。被告は夫との間に5人の子がいた。「子どもは自分にとって大事な宝物で希望でした」。安心できる家庭を夢見ていた。しかし夫の協力があまりないためほぼ1人で家事と育児を担っていた。また約8、9年前から夫のギャンブルへの浪費でだんだん生活は苦しくなり、水道などの支払いを滞納。行政から食料支援を受けざるを得なくなり、2024年2月には生活困窮を理由に児童相談所に長女を除く4人が一時保護された。
事件当時までに児相から自宅に戻ってきたのは被害者で視力に障害のある四女だけだった。「もう昔の家族に戻れないんだと。子どもが幼い頃を思い出して毎日泣いていた」と被告は法廷で振り返った。
子どもが一時保護されたのと同時期、被告は精神が不安定になり食欲もなくなったという。交流サイト(SNS)に「こんな母はいらない。死んでしまいたい」とも投稿した。誰にも相談できなかった。事件当日の10月5日朝、夫にLINE(ライン)で「どうしたらいいかわからない」と助けも求めたが、仕事で帰宅できなかった。
続きを読む
Source: 鈴木さん速報